今まで子供が食中毒になったこともないし、特別意識してないけど上手く出来てるでしょ。
ちょっと待って!
「食」は安全であることが大前提。万が一、お子さんが大事な試合前に食中毒を引き起こしたら今までの努力が水の泡です。
今一度《ご飯の安全》見直してみませんか?
本記事では、食中毒対策について家庭で出来る基本対策を紹介します。
無意識にやっていたことも多いかもしれません。記事を読むことで、1つでも「そうだったんだ!」や「こういう理由だったのね」が増えると嬉しいです。それではいってみましょう!
結論
- 手洗い、手のケアの大切さを再確認しよう
- 菌の増殖を防ぐキーワードは、栄養・水分・温度
- 新鮮な食材を買い、正しい方法で保存しよう
- 作り置きにも一工夫、場合によっては捨てる勇気が大切に
普段のケアも大丈夫?手の清潔を保つ
「手指衛生=手洗い」だけではない。せっかくなので視野を広げて見ましょう!
手指衛生のポイントは以下の通りです
- ハンドソープを使用する
- ‘‘洗い残し’’しやすい部位を意識して手を洗う
- 爪の長さ、傷の管理
1. ハンドソープを使う・使わないの違い
下の表は、様々な方法で手洗いを実施した後ウィルスがどれくらい残っているかを調べたものです
15秒水洗いするだけでもウィルスを洗い流すことができるね
ハンドソープやアルコールを併用することで、さらに効果が上がりますよ
文科省の写真が分かりやすいので紹介します。
是非、手洗いの仕方を見直していきたいですね。
(そもそも手洗いなんて5秒で終わってたな…)
2. ‘‘洗い残し’’しやすい部位を意識して手を洗う
ハンドソープを使用し、充分に時間を使うことの大切さも理解していただけたなら次は洗う部位です!
洗い残しの多い部位、頭にパッと出てきますか?
<洗い残しの多い部位>
・指先、つめと皮膚の間
・親指の付け根
・手のひら・指のシワ
・手首
参考:Taylor,L.<Nursing Times,74,54(1978)
くわえて、「利き手」に洗い残しが多くあることも意識しよう
これらの部位を意識すると、上記した「15秒のすすぎ時間」やハンドソープによる「30秒のもみ洗い時間」が達成されやすくなると思います。
3. 爪の長さ、傷の管理
爪の下や傷口は最近の温床です。
以下はサラヤ(株)さんの引用になります。分かりやすいので、かいつまんでご紹介。
縦軸のCFU(Colony Forming Unit)が高いほど菌数が多いことを示しています。
1mm違うだけで菌数にかなりの差がありますね。
また、手荒れやカサブタなどの傷も要注意。
食中毒を引き起こしやすい黄色ブドウ球菌という菌を指標にして、手荒れのある手指とない手指とを比較したグラフです
手荒れ手指の菌検出率は高いですね
手指に手荒れ・切り傷等があると要注意
使い捨てのビニール手袋を使うなど対策しましょう
引用:西田博:J.Antibact.Antifung.Agents,(1984)12,2,79
爪を切る・手荒れを防ぐことが食中毒予防になるんだね
普段何気なくやっている手洗いや、爪を切るなどの習慣が
自然と子供を守っていたということが伝わると嬉しいです
調理器具は清潔に。3つのキーワード。
目に見えないとは言え、菌だって生き物。生きるためには、栄養が必要です!
菌の増える条件は「栄養」「水分」「温度」!
1.しっかり洗浄し、菌の栄養となる汚れを落とす
2.充分に乾燥させる
3.温度管理を徹底する
1. 食べ物の汚れは菌の栄養源
食器
洗い残しはそのまま菌の栄養源になります。特に、食器の角は洗い残しの多い部位。意識して洗っていきたいですね
まな板
1つのまな板を両面で分けて使うのはNG。裏返した面が台所に接して結局、汚染されてしまうからです。使用後は、熱湯消毒をして乾燥させます。
スポンジ・たわし
スポンジやタワシ自体に菌が繁殖しないように
使用する時は洗剤を使う。使用後は水気を切り、乾燥させ、定期的な消毒などの対策を。
2. 乾燥をしっかりと。浸け置きは基本NG。
しっかりと乾燥させ水分を取り除きます。ない場合は水はけの良い水切りトレイを使用する、清潔なタオルで拭き取ってしまうなどの方法が効果的です。乾燥機があればしっかりと乾燥する時間に設定しましょう。乾燥機を水切りトレイ代わりに使うと細菌は喜びます。ご注意を。
3. 温度管理で細菌繁殖を防ぐ
温度による食中毒菌の発育速度に関して食品容器・包装資材の情報発信サイト「衛生スタイル」さんが大変分かりやすくまとめてくださっています。
以下、画像引用です。
‘‘冷蔵’’の基準である
10℃が大きな境目です
買って、帰って、正しく保管
良い品質の食材を買い、正しく保管する!
1.新鮮なものを買う→直帰
2.冷蔵庫を機能させる
1. 賞味期限・消費期限の確認
表示のある食品は、賞味期限・消費期限を確認します
肉や魚などの生鮮食品は出来るだけ最後に買い、買ったら寄り道せず直帰
家に着いたら速やかに冷蔵庫・冷凍庫へ入れましょう
2. 冷蔵庫を機能させる
冷蔵庫詰め込みすぎていませんか?先述した通り、10℃を超える・超えないは菌を繁殖させないための大事な境目になっています。目安は7割程度、食品の間から奥の壁が見えるくらいです。
ただし、菌が死ぬわけではないのでやはり早めに食べるようにしたいところですね。
逆に、冷凍庫はある程度詰め込んだ方が空気が流れず溶けにくくなります
本当にそれ、食べても大丈夫?
原則は《温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに》
そうは言っても子供は残したりするし、多めに作って明日の時短にしたい!
作り置きにも食中毒予防の視点を取り入れていきたいですね
1.取り分けて食べのこしを防ぐ
2.保存は手早く、容器も一工夫
3.解凍は一回だけ
4.感覚に頼らない
1. はじめに取り分ける
コロナ禍もあって小さいお皿に小分けにするという工夫が社会に浸透しましたが、食中毒対策としても有効です。早めに保存容器に入れられる・食べ残しがなくなると言ったメリットがあります。
大皿でドーン!は、確かに楽なんですけどね。。。
2.容器はしっかり密閉し、早めに冷蔵庫へ
大量に作ったカレーなど、鍋に入れたまま冷ましていませんか?
常温で菌が繁殖しやすいというのは既に皆さんの知識になっていると思います。やはり、粗熱をとったら冷蔵庫に入れてしまいたいところです。「フタをしても水滴がつかない」程度まで冷めれば粗熱処理OKのサイン。
粗熱が取りやすくなることも、小分けにするメリットだね
その通り!固形物はジップロックなどで、密閉し空気を抜くとBestです。
肉や魚の汁は菌の大好物なので、漏れないように気をつけていきましょう!
3.解凍は一回だけ
保存した食材は、低温での解凍が基本。理由は常温では菌が…は、ここまで読んでいただいた皆さんなら既に常識になってますね。何度も冷凍→解凍を繰り返すことで、菌が発生するチャンスを与えることになります。‘‘常温で解凍’’とある食材は、流水やレンジを使って手早く行うとGood。
出来れば、一度解凍した食材は食べ切りたいですね。
また、加熱を充分にすることで菌をやっつけることができますよ。
計ることは難しいかもしれませんが
食材の中心温度が75℃以上で1分以上の加熱が大事と言われています
カレーや汁物を再度食べる時は、一度しっかりフツフツさせたいですね
4.感覚に頼らない。捨てる勇気。
「少し前だけど、‘‘賞味期限’’だから大丈夫!」は食中毒予防の観点からすると避けたい考えです。
また、臭いが大丈夫だからOK!色も変じゃないからOK!もリスク高です。
そもそも細菌やウィルス、その毒素は味も臭いもしません。
感覚ではどれだけ菌が繁殖しているかは分からないということを頭に入れておきましょう。
親の大事な仕事
私達が生活する上で欠かせない、そしてスポーツをする子供たちにとって大事な体づくりを担う「食事」ですが、身体に何かを入れることはリスクでもあります。そのリスクを最小限にしてあげることも、親の大事な役割ですし立派な応援方法だと思います。楽しそうに・美味しそうにガツガツ食べる姿を見るのは、親として良いものですよね。この記事がお子さんのスポーツライフを少しでもサポートできると嬉しいです。