先日、こんなニュースが報道され話題を呼んだことをご存知でしょうか?
《大谷翔平 睡眠‘‘疲労回復で最も重要’’》
羽鳥慎一モーニングショー4/11放送より
画像は公式Twitterより引用
二刀流で世界を驚かせる超人は1日のほぼ半分を睡眠に費やしており、睡眠の質を上げるために睡眠記録を取れるバンドをつけて就寝する徹底ぶり。‘‘睡眠力’’も超一流ですね。
スポーツをするのに欠かせない体調の管理。その基本とも言えるのが‘‘睡眠’’です。
ところで皆さん、睡眠のことどれくらい意識できていますか?
「夜更かしは良くない」「早起きが良い」なんて僕らは散々言われ続けてきていますよね。なので、睡眠は大切なものという意識は植えつけられていると思います。
ですが、結局のところ‘‘睡眠の正解’’ってあるのでしょうか?
大谷選手ほどストイックに睡眠を管理するのはプロレベルでも難しいかもしれませんが、人生の約1/3が睡眠時間として使われると言われている中、現在わかっている‘‘正解’’を知っているか知らないかではスポーツを含めた私生活においても差がついてきそうです。
そこで今回は
- 実際のところどう?睡眠とスポーツの関係性
- 「寝る子は育つ」は科学的に正しい!
- 覚えておくべき、黄金の睡眠周期
- 最高の睡眠のために意識したいこと4選
これらのテーマで睡眠を解説していこうと思います
睡眠の基本を勉強し、スポーツに使えそうな知識を一緒に増やしていきましょう!
結論
- 睡眠とスポーツパフォーマンスは関係がある
- 寝る子は育つ!…が、日本の子供は睡眠不足
- 睡眠周期の「第1周期」の質をあげよう
- 体温と環境をコントロールして睡眠力UP
睡眠とスポーツ
スポーツの成績UP
十分な睡眠で
スポーツパフォーマンスは向上し怪我が減る
そもそも、しっかりと睡眠をとることとスポーツの成績には関係があるの⁇
答えは『Yes』です。
世界大学ランキング3位の超名門スタンフォード大学の研究がそれを証明してくれました!
さっそく結果ですが、下にまとめましたのでご覧ください
大学バスケットボール選手11名に対して、いつも通りの睡眠時間での運動vs十分な睡眠をとるよう指導した後の運動で、運動のパフォーマンスがどう変化するのかを調べた研究になります
結果はご覧の通り、シュート成功率や反復走タイムの改善が認められており睡眠がパフォーマンスUP・怪我の予防にも影響するということが証明されました。
しっかりと寝るだけでシュートが入るようになるなんてオイシイ!
負傷者が減ったというのも嬉しいですよね。結論として「最適な睡眠は運動能力を最大にするために役に立つ可能性が高い」としています。
睡眠の役割
睡眠は脳を休ませ、身体をメンテナンスする
そもそも、なぜ僕らは眠るのでしょうか?
睡眠の役割は様々ありますが、最近判明してきたものを大別すると5つに分けられます。
特に、
①脳を休ませる
②自律神経やホルモンバランスを調節する
特にこの2点は運動のパフォーマンスUPや身体の成長に大きく関わります
脳は僕らが社会生活を営む上で様々な役割をこなしてくれます。
例えば‘‘高次脳機能’’と言われる、「判断する」「考える」「記憶する」などの運動や勉強に必要なスキルは全て脳が無意識にしていることですが、脳が休めないとこれらの機能が徐々にレベルダウンしていくわけですね
また、②の自律神経とホルモンは成長期の皆さんにとっては切っても切れない関係があります
「寝る子は育つ」は真実!
成長したければ寝よう
成長期の皆さんが「身長を伸ばしたい」「筋肉をつけたい」と思った時、キーワードになってくるのは自律神経と成長ホルモンです。
まず成長ホルモンの働きとしては
- 骨を伸長させる
- 筋肉を増大させる
- 怪我の治癒を促す
と言った、まさしく人の成長を促すために必要な物質です
そして自律神経に関してですが、こちらの画像をご覧ください。
これは睡眠の周期と言われるもので、人は眠ると睡眠の浅い時間と深い時間を繰り返します。
先ほど出てきた自律神経が十分に働いていることでこの周期は保たれ、結果的に「良く寝たー!」という良質な睡眠になります。
そして、成長ホルモンは深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間に多く放出されます。
成長ホルモンが分泌されるほど、骨や筋肉の成長・怪我の回復に有利なことはいうまでもありません。
しっかり眠れている=成長ホルモンが大量に出ている。
まさに「寝る子は育つ」です。
黄金の1周期目をモノにしろ
さて、さっきの睡眠の周期なのですが、複数回あるノンレム睡眠の中でも一番成長ホルモンが出る時間帯があります。
その黄金の時間帯こそ、第1周期のノンレム睡眠時です!
睡眠中のほとんどの成長ホルモンはこの周期で出されるため、この第一周期でしっかりとしたノンレム睡眠を得られる=良質な睡眠をとったと言えます。
じゃあ一体、どれくらい寝るのが基本なの??
参考にしたい睡眠時間は、アメリカの国立睡眠財団が発表しています
ざっくりと、以下のようにまとめられています
文献では、上記の時間に1~2時間のズレがあっても良いこと、身体の機能が十分に働くための時間には個人差があることが挙げられています。
成長期であれば8時間〜10時間ほどを目標にしながら
無理に睡眠時間にこだわるよりも
質の良い黄金の1周期をとることに集中したほうが良いかもしれませんね
睡眠の質を上げるために意識すること
- 眠くなったら寝る
- 体温をコントロールする
- ルーティンを作る
❶「眠くなったら寝る」が鉄則
まず基本は、体の睡眠欲に合わせて活動することです
人には起きる時間帯・眠くなる時間帯などと、1日の中で概ね決められたリズムが体に備わっています。
このリズムを‘‘サーカディアンリズム’’と言います。
‘‘緊張して眠れない’’
‘‘観たいテレビがある’’
‘‘勉強しなきゃいけない’’
様々な理由で私たちは夜起きなければいけない時がありますが、それは脳を強引に働かせ本来のリズムを崩している状況となり、深い睡眠の妨げになります。
勉強もしなきゃいけないから、自分の時間の使い方を見直して見ようかな
そう考えられるのは素晴らしいですし
何かをするために時間を見直すというのは
大人になっても役に立つ考え方だと思います
また、リズムを一定にするために睡眠時間を一定にすることも有効です
❷入浴で体温コントロール
生活リズムを見直したら、今度は体温にも注目してみましょう
人は深部体温が下がると眠くなることがわかっています
深部体温とは、脳や内臓など人の活動に必要な臓器の温度です
つまり、深部体温を下げるのは脳の温度を下げて休ませるための‘‘冬眠’’のようなものだと考えるとわかりやすいかもしれません
そして体温コントロールには、日本人の大好きなお風呂が有効です!
入浴すると、深部体温は上昇しますが入浴後2時間ほどをかけて深部体温を下げて行きます。そこに、サーカディアンリズムによって深部体温が下がりやすい時間帯がぶつかることで入眠しやすい身体の出来上がり、というわけです
シャワーでは深部体温まで温まらないためできれば入浴をしましょう
40度の温度で15分が目安です
❸単調作業で眠気UP
ルーティンという言葉はおそらく聞いたことがあると思いますが【決まった手順】【日課】などと日本語では訳されます
一度観たドラマや映画は二度目も三度目も同じ内容であるように、決まりきったことというのは変化がありません
変化がないということは、脳への刺激が少ないということ
脳への刺激が少なければ、体は活発だった状態から落ち着きを取り戻します
そしていつしか飽きるという形で、脳が眠くなるスイッチをONにしてくれます
激しい運動・携帯電話の使用などは逆に脳を覚醒させてしまうので避けた方がGOODです
❹選択肢を少なく
脳は常に働いて、何を着るか・何を食べるか・いつ寝ようかなど様々な‘‘選択’’をしています。この選択をする機会が多いほど脳がストレスを受け覚醒してしまいます
無条件にコレというものを予め決めて習慣にしておくことで、脳にとってノンストレスで行動をすることができ、覚醒を防ぐことができます
何が‘‘ちょっとしたストレス’’になってるか見直してみようかな
全部を完璧にやろうと意気込む必要はありません。少しずつ自分に合う・合わないを検証していき、自分だけのやり方を育てていきましょう!
最後に
冒頭でご紹介した大谷選手は「睡眠のための計画を立てる」といい、徹底したその睡眠力ぶりに僕も感心してしまいました。しかし、そこまで行動するきっかけとなったのは、当然ですが大谷選手が日々の中で「睡眠って大事だな」と思ったことが始まりだったと思います。同じように「もっと寝とけば良かった…」って思ったこと、皆さんもあるのではないでしょうか?
睡眠の質を上げるための第一歩は、身近な習慣を少し変えるだけで達成されるものです。ぜひ、睡眠の大切さを実感して、より良いスポーツライフを送ってくださいね。今回の記事が参考になればとても嬉しいです!
今回は以上です!したっけね!