【足の崩れは全身の崩れ】知っておきたい「つちふまず」の話

つくる力

こんにちは、今回は足のお話です。皆さんは「つちふまず」って聞いたことありますか?足跡をつけた際に、地面に跡がつかない部分です。

専門的には「内側縦ないそくたてアーチ」と言われ、このアーチがあることで

【衝撃吸収がスムーズになる】

【足全体の強度が増す】

など様々なメリットがあります。

アーチがあることで良い事がある、ということは、残念ながら逆のことも言えるわけです。つまり『アーチが無いと体に悪い事がある』という事です。先ほど挙げたようなアーチのメリット(衝撃吸収のスムーズさだったり、足の強さが増すなど)がもし失われていたら、私たちはスポーツ以前に、歩いているだけで足の痛みが出現する可能性もあります。

こちらは小学生〜高校生で発生する怪我がどこで多いかを示した図です。成長期の皆さんは下肢の怪我の割合が多いことが分かるかと思います

(成長期アスリートにおける障害総論.村田健一郎ら.2018)

もちろん、すべての怪我の原因が足からくるものではありません。しかし、アーチが無いことが原因で痛みと戦っている選手は僕の経験上多くいらっしゃいます。

今回はそんな、足のアーチに関して学ぶことでスポーツの怪我予防につながる内容となっています!

結論

  • アーチのない足は扁平足へんぺいそくと呼ばれ、足に負担がかかりやすく怪我の要因になる
  • アーチは「衝撃吸収」や「体をしっかりと支える」役割を持つ
  • 扁平足は基本治ることはないが、影響を抑えることはできる
  • 自分の体のどこに負担がかかりやすいかを把握しケアしていこう

アーチが落ちている【扁平足】状態

アーチが落ちている状態の足のことを扁平足へんぺいそくと言います。その形は写真を見ていただければわかりやすいと思います。

扁平足へんぺいそくは、その名の通り平らな足の形をしており地面にペタッと足全体がついてしまっています。アーチのある足は一方で、足と地面に隙間があるのがわかるかと思います。この隙間があることで動くとき・立つ時にたくさんのメリットが生まれます。

アーチの役割

では、アーチにはどのような役割・メリットがあるのでしょうか?

①足にかかる衝撃を分散する

足に体重がかかった際、アーチがクッションの役割をして衝撃を吸収してくれます。そしてアーチのカーブによって体重は前後に分散され、本来体重がかかるべき場所にかかるようになります。結果として、足への負担を軽減してくれます。

アーチが無い場合、かかった体重は分散されず、足全体に加わることになります。それは骨に対して過剰なストレスを生んだり、足を支える筋肉を使いすぎるといった影響を与えます。

②まっすぐ体重を支える

アーチの落ちている足をカカト側から見てみましょう。写真の通り、アーチのある足と比べると少し内側に傾いているのが分かると思います。

アーチが落ちることで、地面に対して足が傾いたまま接地することになります。土台となる足がまっすぐにならなければ、当然体をまっすぐ支えることができず、体全体のバランスが崩れてしまいます(内股になりやすい、など)。その結果、上にある膝や股関節も傾き負担が増えます。

アーチが落ちていることが要因となる怪我は様々あります。一例を挙げてみると…

・疲労骨折(足の甲やスネの骨) ・足底筋膜炎
・シンスプリント ・種子骨障害 ・外脛骨障害
・骨端症 ・アキレス腱炎 ・足関節捻挫  …など!

また、歩き方が乱れたり

外反母趾がいはんぼしなどの変形にもつながります

実際に怪我を経験した方は見覚えのある名前、あったでしょうか?これは僕が今パッと思いつくもので一部にすぎません。また、前述した通り膝や股関節の怪我も増えます。

アーチの成長

アーチは赤ちゃんの頃からあるわけではありません。ハイハイから歩くようになり、足にたくさんの刺激を受けることで少しずつ出来上がってきます。

およそ、3歳頃から徐々にアーチは作られ始め7歳頃でアーチの形が出来上がります。そして、13〜14歳頃まで徐々にアーチが成長し(しっかり働くようになり)完成に至ります。

足の骨レントゲン写真を見てみると、3歳から足の中央付近の骨がハッキリ出来上がってくる様子が分かります。

写真の赤い丸で囲った部分は‘‘足根骨そっこんこつ’’と言われ、その名の通り木の根のように足の土台を形成してくれます。

ちなみに、足の大きさも14歳頃までに大人とほぼ同じ大きさになります。

自分、アーチ無いんだけど…?

さて、ここまでアーチのメリットや無いことでの影響をお話ししてきました。そしてこう思った方もいるのでは無いでしょうか?

私もう、アーチ無いんだけどどうしたら良いの??」

自分の足を確認して、扁平足だったという方。すでに周りから扁平足だねと言われている方も少なくないと思います。結論、扁平足はなおりません。ですが、扁平足からくる症状は改善することができます。

①気にするより、ケアをする

・扁平足だけど症状がない人

・アーチはあるけど足が痛い人

様々な状態の選手がたくさんいます。スポーツを行うということを考えると、痛みが出る・足がつりやすいといった症状がなければ、扁平足でも気にしなくて良いと考えます。そもそも、扁平足という状態は元に戻るものではないからです。扁平足であることを気にするよりも、その足で動いた時に負担のかかる部位を日常からケアすることが大切です。

‘‘どのようなケアが自分に合っているか’’

こればかりは専門家によるアドバイスをもらわなければいけません。その際は、実際に動作をみてもらうことが大切です。SNSなどで「これだけでOK!」と様々なケア・トレーニング方法が紹介されていますが、すべての人に効果のある手段はありません。やはり、自分を実際に見てくれる専門家が一番自分を理解してくれていると思います。扁平足という状態は一緒であっても、どこに負担がかかるかは人によって違いますからね。

②中敷きを検討

まず大前提としては、足のケア・筋力や感覚のトレーニングをすることが大切です。

しかし、扁平足からくる様々な怪我は「我慢すれば出来るけど、動いた後は結構痛い」など、休むべきかどうか絶妙なラインの症状が多い印象です。また、疲労骨折などは「よくある怪我」として捉えられ、そのレベルで休むのかと判断されやすい怪我も多いですし、実際休むべきかどうか悩む方も多いのでは無いでしょうか?

そんな時には、中敷きを検討してみるのが良いです。比較的即効性がある(中敷きを入れたらすぐ症状が良くなる)ことに加え、一度作ってしまえばあとはその靴を履けば良いだけという手軽さがあります。気をつけるべきポイントは、実際に足を測定し作成してもらうことです。市販のものを買いたい場合は、「中敷きで効果があるかも?お金をかけずちょっと試してみたい」という際ならアリかもしれませんが、症状に悩んでいるレベルの場合はやはり測定してもらうのが良いですよ。

中敷きに関しては、また別に記事を設けようと思います!

最後に

今回は、足に備わっているアーチについて

・アーチってなに?

・アーチの役割は?

・扁平足の足はどうしたら良い?

このような内容で記事を書いてみました。

足の形は成長期の皆さんのスポーツライフに大きな影響を与えますし、大人になり社会に出て活躍する際の大切なパートナーとなります。自分の足はどんな足なのか・どんなケアが一番合っているのか、今から知っておくと良いことはきっとたくさんたくさんあるはずですよ。

今回は以上です!したっけねー


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