【ココミルvol.1】オスグッド編

ココミル

今回から始める【ココミル】シリーズ。
これは普段トレーナーとして選手のケアを担当している僕が選手の体をどういう視点でチェックしているかを紹介する記事です。
「あ、これは怪我する体の硬さだわ」
「この動きをしていたらここ痛いよね」
など、『選手のココをみているよ』を載せていきます。

僕らトレーナーは、体や動きの問題点を探すことが得意です。そんな僕らの頭の中にはそれぞれ独自の【体のチェックリスト】があります。そのリストをみなさんと共有することで、「自分もそれに当てはまっている!」「だからここが痛いのか」といったみなさん自身の体の気づきにつながると思いました。

ココミルシリーズを通じて

  • スポーツでよくある怪我について学べる
  • どのような動きが怪我につながるかがわかる
  • 怪我の予防ケアの仕方がわかる

と、スポーツを行う上でのメリットがたくさんあります。ぜひ自分はどうなってるんだろうと体に興味を持ちながら読んでみてくださいね。

オスグッドの基礎知識

ココミルシリーズ第1弾は、成長期スポーツ障害の代表「オスグッド」です。身近な怪我ですので名前はすでに知っている人も多いかもしれません。

オスグッドは、成長期に発生するひざの怪我です。膝下のスネのがボコっと盛り上がって、運動中や不意にぶつけてしまった際に痛み生じます。

具体的にどうなっているのかというと…

ふとももの筋肉(大腿四頭筋だいたいしとうきん)は、のお皿を経由してスネの骨に付きます。る動作やブレーキ(ふんばる)動作の際に活発に使われるこの筋肉が多用されることで、付け根であるスネの骨をグイグイと引っ張り続けます。やがてその負担に骨が耐えきれなくなり痛みが出現します。

ジャンプやストップ動作の多いスポーツだと大腿四頭筋だいたいしとうきんが使われる機会が多いため、オスグッドに悩む選手も多くいます。(サッカー、バスケット、ハンドボールなど)

オスグッドの‘‘ココミル’’

では、実際にオスグッドになる選手はどんな特徴があるのでしょうか。

膝の柔軟性

は曲げ伸ばしのできる関節で、当然のことですがしっかり伸びる・しっかり曲がるのが当たり前です。

膝がしっかり曲がるかをチェックするために、うつ伏せになって膝を曲げてもらいます。スっと抵抗なくカカトとおしりがつけば合格点

・そもそもカカトとおしりがつかない
・つくけど抵抗が強い
・つくけど、おしりが持ち上がる
・つくけど、膝が外に逃げる
・オスグッドの痛みが出る

この辺はアウトです。柔軟性が足りません。

足を伸ばして座った際に、膝のにスペースがどれくらいあるかで、伸びる膝かどうかを判断できます。

膝の裏にスペースがあると、膝が伸びきっていないということになります。たてに指を入れて2本以上入ってしまうようなら要注意!入念にストレッチをしたいですね。もちろん、指が入らないのがベストです。

オスグッドと少し話は逸れますが、膝が逆にりすぎている反張膝はんちょうひざの方もいます。水泳や体操などの競技をしている選手に多く、これはこれで怪我のリスクがありますので、もし症状が出てんでいる方は専門家に相談しましょうね。

重心の位置

体の重心じゅうしんの位置はオスグッドが発症するかどうかに対してとても影響力の大きい要素です。重心とは体重の中心のことで、その位置によって大腿四頭筋だいたいしとうきんが使われすぎてしまうケースがあるからです。

結論、オスグッドは重心が後ろに偏っている人が多いです。
立ち姿勢を見てみましょう。

理想的な重心の位置は、足の中心の近く、外くるぶしの少し前方に落ちます。

立って試していただけるとわかると思いますが、重心が後方、つまりカカトに体重が乗れば乗るほど太ももが辛くなってきますよね。

重心が後方に移動すると大腿四頭筋に負担がかかるというわけです。

例えば猫背の場合、全身が丸くなり重心がカカトに移動してしまいます。この状態で生活すると、日常生活から大腿四頭筋だいたいしとうきんに負担がかかり休むことがないため、どんどん柔軟性が失われてしまいます。

猫背以外にも重心が後ろにってしまう姿勢はあります。自分がどの姿勢かは専門家がしっかり見てくれますよ。

スポーツでの姿勢はどうでしょうか。下の写真は色々な動作の基本となる「パワーポジション」と呼ばれる姿勢です。

正しい姿勢は重心の位置が足の中央付近に来ていることがわかります。

ここに重心があることで、様々な方向への動きに対応しやすくなるだけではなく、筋肉も最小限の力で姿勢をキープすることができます。

猫背や、足首が硬いと体を上手く前に倒すことができません。そうすると、重心はカカト側に移動してしまいます。力を抜くと後ろに倒れてしまうので、大腿四頭筋などの前にある筋肉が頑張って体を支え続けて負担が大きくなってしまいます。

動作:イスの立ち座り

立ち座りはの動作は体の使い方を見るために役に立ちます。体幹や股関節の使い方の練習にもなりますし、片脚でやることで筋力トレーニングにもなります。

上記のパワーポジションがしっかり出来ていると、重心の移動もスムーズになり楽に立ち座りができます。

ジャンプ動作・着地動作などでこの体の使い方が役に立ちます。

・勢いをつけてしまう
・手を使ってしまう
・重心が後ろに残ってしまう
様々な失敗パターンがありますが、どれも余計な力を使わなければいけなくなり体への負担が大きくなります。

<なぜその動作になってしまっているか?>を考えていくのは僕らの役割です。そこまでいくと話が難しくなり過ぎますので、自分は上手にできるかな?と試してみるくらいでOKですよ

最後に

今回のココミルはオスグッドについてまとめてみました。どんな怪我か学んだり、猫背がなぜオスグッドに悪影響なのかをイメージできて「普段の姿勢を少し気をつけよう」「ストレッチしよう」とケアに意欲的になってくれると最高です。

1つ注意していただきたいのは、同じ怪我だからといって全員が同じ原因ではないということです。SNSで情報収集が簡単にできる時代ではありますが「これをやっておけば大丈夫」はありません。もし今怪我に悩んでいている方は、近くの専門家に体の状態や動きをしっかりみてもらいケアの方法を教えてもらってくださいね。自分のことを実際に見てくれる人が1番のアドバイザーであると僕は思っています。

では、今回は以上です。
したっけねー

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