今回のココミルシリーズで取り上げるのはシーバー病(セーバー病)です。別名を踵骨骨端症といい、カカトが痛くなる怪我です。成長期のスポーツ選手に発生しやすく、男子に多い印象です。スポーツ選手に身近な怪我の1つであるこの怪我、ココミルで勉強して予防などに活かしてみてくださいね。
シーバー病とは?
シーバー病は歩き始めや走り出し、ジャンプの着地時に踵が痛くなる怪我です。これはふくらはぎにつながるアキレス腱や、足裏のつちふまずを作る足底腱膜が踵の骨をグイグイと引っ張ることが原因で発生します。
成長期の骨は未完成で、腱の引っ張る強さに骨が負けてしまいます。その結果、骨(骨端線)にストレスがかかり続け痛みが発生します。
‘‘成長痛’’と片付けてしまう場合がありますが、れっきとしたスポーツ障害です。
骨端症についてはこちらも参考にしていただけると思います。チェックしてみてください。
ココミル
カカトのどこが痛いか
シーバー病が疑わしいとき、踵の中でも特に痛みが強い部分をチェックします。どこが痛いかによって、シーバー病になった原因が違うことが多いからです。原因が違うということは対策も変わってきます。
踵の内側が痛い場合、スポーツ中でも内側に、つまり母趾側に体重がかかりやすくなっている選手が多いです。また、扁平足や外反母趾など、足の形自体の問題もあります。
反対に、踵の外側が痛い場合は小趾側に体重が乗りやすい選手が多いです。足をひねった経験があったり、体幹やお尻の筋肉が弱い傾向があります。
内側に痛みを訴える人の方が多い印象です。また、内でも外でもなく踵の中央が痛い場合、ジャンプの着地時の衝撃吸収が上手くできていなかったり、ふくらはぎの筋肉の硬さが原因になっている場合が多いですね。
足首の柔軟性
足首の柔軟性も大切なチェックポイントです。足首の柔軟性はスポーツ庁が出しているセルフチェックの方法が分かりやすいので記載させていただきます。
【足首の柔らかさ】自分の身体知っていますか?~室伏広治のセルフチェック~ Ankle mobility(dorsi flexion)
オリンピックでも活躍されたスポーツ庁の室伏さんが実践してくださっています。以下に、画像も引用させていただきながら説明しますね。短い動画ですし足首以外のチェックもできますので、興味があったら視聴してみてください。
壁の前で片膝立ちになり、前に置いた足のつま先から壁の間に、握りこぶし1つ分のスペースを取ります。
足の位置を動かさず、そのまま壁まで膝がつくかチェックします。
この時、踵が浮いてしまってはいけません。足が動かず膝がまっすぐに壁につくなら柔軟性としては合格ラインです。
記載されている内容に加えて、個人的な意見としてですが
・膝が内側、外側に逃げてしまう
・つま先が外側に向いてしまう
・膝が壁についても、ふくらはぎが張ってくる
いずれか1つでも当てはまれば、柔軟性は不十分です
足の形
シーバー病になりやすい人は足の形にも特徴があり、扁平足の方に多いです。
扁平足に関してはこちらの記事をチェック!
扁平足のようにつちふまずが潰れてしまうと、体重は母趾側に落ちやすくなってしまいます。
写真では左が扁平足の足なのですが、正常の足と比べて体重が踵の内側に落ちているのがイメージできるかと思います。
踵の内側に体重が落ちると、着地時の衝撃が内側に強くかかることになります。また、痛みの原因となりやすい足底腱膜も過剰に引っ張られ、結果的に踵の内側への負荷が大きくなります。
また、外反母趾や内反小趾もシーバー病には影響します。外反母趾は母趾側に体重が乗りやすく、内反小趾は小趾側に乗りやすくなります。
変形が強い場合には、テーピングやインソールで対応することが効果的です。
足趾の使い方
足のゆび、皆さんは上手に使えるでしょうか?よく「グー・チョキ・パーができると良いよ」とか「タオルをゆびで引っ張ると良いよ」などなど、足趾のトレーニングを耳にした方も多いかと思います。個人的に1つ覚えていただきたいトレーニングはショートフットエクササイズと呼ばれるものです。
検索すると色々な動画がありますが、こちらのAR-Ex 自宅でリハビリ様の動画が短くシンプルで分かりやすいので、まずはこの動きができるかな?これで合ってるかな?とチャレンジしてみてください。
AR-Ex自宅でリハビリ『ショートフットEx』
足趾は筋肉や骨がたくさんあり、細かい説明をすると余計わかりにくくなると思います。なので、シンプルにまずチャレンジしてみましょう。
つちふまずの中央〜踵にかけて疲れを感じると大成功です。そこにつちふまずを支える大切な筋肉があるからです。
普段から足趾の動きを意識して過ごすことはないため‘‘そもそも動かない’’や‘‘できる気がしない’’と思うかもしれませんが、続けていればできるようになりますよ。
バランス能力
最後に動きのチェックです。片脚立ちや踏み込み動作は上手にできていますか?
片脚立ちを安定して行える能力はスポーツをするための基礎的な能力です。グラグラせず10秒はキープできるようになりたいですね。足自体がグラグラすることや、体幹がブレやすいなど片脚立ちが不安定になる原因はたくさんありますので、上手くできない方は専門家にみてもらい原因をつぶしていきましょう。
ふみこみ動作は‘‘ランジ動作’’と呼ばれ、どのような種目のスポーツでも多くみられる動作です。前方・横方向・斜め方向など、どの方向に対しても安定してできるのが理想です。
猫背にならないこと、つま先と膝の向きが一緒になることを意識して行いましょう。特に、膝が内側に入るとつちふまずがつぶれてしまいシーバー病を発症させたり悪化させる原因となることが多いです。
まとめ
インソールの活用やシューズ選びも、ケア・予防の大事な要素となってきます。ですが、自分の体の柔軟性・動かし方など自分の努力次第で改善できるものを改善していかないと、インソールが壊れた時・足のサイズが変わった時に再度痛みが発生してしまいます。
ココミルに当てはまる項目があり踵の痛みで悩んでいる方がいらっしゃったら、病院・整骨院など専門家のアドバイスを受けることも検討してみてくださいね。