先日、トレーニングを任されている選手の保護者とお話しているとこんな疑問を伺いました。
チームのコーチから『足の筋肉をつければもっと良いプレーができそう』と言われたのですが、鍛え方も、そもそも鍛えて良いものかもわからなくて…
筋肉をたくさんつけて欲しいけどどうやって鍛えたら良いのか、そもそも成長期の筋トレは怪我に繋がるのではないか…など、同じような疑問に直面した方も多いのではないでしょうか?
確かに、成長期の段階で体に過負荷なトレーニングを続けると骨端症などの怪我につながります。また、筋肉がたくさん付き始めるのは10代中盤〜後半にかけて。それなら筋肉をつけるというのはデメリットの方が多いように感じます。しかし、スポーツをする上では筋肉が必要とされることも事実で、筋肉が足りないが故に怪我に繋がるということもまた多くあることです。
そんな時に参考になる指標がWBIです。WBIはWeight Bearing Indexの頭文字をとったもので、日本語では【体重支持指数】などと表現されています。
筋肉がどれだけあるかという視点ではなく、体重を支える力があるかという視点で提案されたこの指標は病院のリハビリにもよく使われ、かつ自分で簡単にチェックできるメリットがあります。
今回は、WBIとそのチェック方法についてまとめた記事となります。ぜひ最後まで読んで、足の力がどれくらいあるのか楽しみながらチェックしてみてくださいね。
WBIの確認方法
WBIを確認するためには「立ち上がりテスト」を行う必要があります。
立ち上がりテストのやり方は以下の通りです。
椅子から片足(場合によっては両足)で立ち上がれるかどうか、基本的にはこれだけの簡単なテストになります。
この立ち上がりテスト、いろいろとメリットがあります。
- 特別な道具などなくても簡単にチェックできる
- 怪我のリスクが少ない
- 子供も楽しんでチャレンジできる
- このチェックがそのまま筋トレにもなる
特に、ゲーム感覚で行えるので子供たちにやろうと思った時の反応は良好です。
WBIはこう決まる
では、どれくらいの高さから立ち上がることができれば「十分な筋力があるね!」と言えるのでしょうか。それは何センチの高さから立ち上がれたかで決まります。
片脚10cmの競技スポーツレベルは、ダッシュ・ジャンプ・切り返し動作・状況への反応など、競技をやる上で必要とされる脚の筋力全般を指します。おそらく、ほとんどの方がこのレベルを求められるのではないでしょうか。
もし脚の力が足りないなとわかったら、出来るレベルの立ち上がりテストがそのまま次のステージに向けた筋トレになります。片脚20cmで失敗したら、トレーニングとして片脚30cmを10回行うといった具合です。また、机や壁に少し体重を逃しながら行うのも効果的ですね。
最後に
今回は、スポーツに必要な脚の力を把握するための立ち上がりテスト・WBIを紹介しました。立ち上がりテストは臨床の場でも多く使われ、怪我で休養中の選手から手術後の患者さんまで多くの方に適応できます。また、出来る・出来ないがハッキリしているので、選手にとってもわかりやすく「悔しいから出来るようになってやる!」と筋トレのモチベーションになることも多いです。
体づくりのチェックとして役立てていただければ幸いです!たくさんトレーニングした後のストレッチもお忘れなく!